宮城県登米市・豊里コミュニティ推進協議会

豊里にあがらいん
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豊里の世界遺産 第11号 香林寺(長根地区)

豊里の世界遺産 第11号 

有形文化遺産の部 ★★★(星3つ)

古い歴史と見事な庭園 香林寺(長根地区)

〒987-0356 宮城県登米市豊里町杢沢87

豊里町では2017年から町内にある名所旧跡・郷土料理・神事や祭りを『豊里の世界遺産』として認定・顕彰しています。今回、候補に推薦されたのは、430年の歴史を持つ曹洞宗の寺院・香林寺です。10月12日に佐々木公民館長と集落支援員・川谷が取材に伺い、現和尚の武山正廣さんにお話をお聞きしてきました。

境内には観音堂や庫裏の香雲閤、鐘楼堂、信徒会館があり、古木や巨岩の庭園も見事で、前庭は緑の芝生と落葉樹、参道には楓並木、山門をくぐれば枯山水の石庭が優美な景観を見せています。特に秋の参道は鮮やかな紅葉が目を引く美しさで、冬の雪景色も絵になります。

これら寺の庭園や敷地の管理はすべてできる限り、18代目で現住職の武山正廣さん(雲童正廣和尚)が自身で除草・剪定し、手入れをしておられます。この夏には、台風で樹齢100年を超す桜の木が3本倒れて大変だったそうですが、その時も専門業者に頼まず、和尚自らチェンソーを使って切るなど処分をされたとお聞きしました。自らを「下僕・下男」と呼びながら、「心地よいと感じてもらえる庭園」を心がけておられるというお話しを興味深くお聞きしました。

昔はインターネットを通じてホームページを更新していたそうですが、今は手づくりの便りを年に2・3回発行し、護持会の方々へ送っておられるとのこと。今月は『豊里の人間国宝』第11号に香林寺東堂・第17代目武山正道さんを認定しましたが、息子の正廣さんも素晴らしい方でした。

旧北上川を前にした丘陵地の谷間に位置し、JR気仙沼線の御岳堂駅から徒歩5分程の所にある。寺伝によれば、香林寺は葛西氏の支族、月輪六郎、七郎兄弟の菩提を弔うために1584年(天正12年)に建立された。元来当寺は、天台宗としての開宗寺院であったと言い伝えられており、本尊も阿弥陀如来だが、その後、曹洞宗に改宗した。 境内は傾斜地で、古木や植栽も見事である。

香林寺山門は、1540年(天文9年)室町時代の後期に月輪館の東門として建築されたものを、香林寺開山時に移築した。宮城県では珍しい室町時代末期頃の様式的手法を遺す遺構であり、1972年(昭和47年)10月11日に宮城県の有形文化財に指定された建造物である。

 宮城県内最古の山門で、木造建築物としても、角田市の高蔵寺阿弥陀堂に次いで県内で2番目に古い。1990年(平成2年)11月に全面解体修理を受けた。

 「二ツ柏の紋」は束ねとして建造当初より組み込まれており、宗家の葛西氏は三ツ柏の家紋を、初代清重依頼用いて来たものと言われている。とすれば、この山門は葛西氏支族との関連を示す、現在唯一の物的証拠といえよう(東北大学名誉教授 佐藤巧)。なお、香林寺と月輪兄弟についての論文等は、『奥州三迫合戦記』{軍記物語}(和光大学人文科学研究紀要第23号)〈1988年〉に記載されている。

以上 ウィキペディアより転載

資料・写真提供 武山正廣さん及び香林寺発行ガイド冊子より転載 


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