豊里の歴史・文化
『豊里の世界遺産』第6号決定
竈神様(カマガミサマ)(豊里町)
火難よけ・魔除け・家内繁盛の守護神
今回、第6号の『豊里の世界遺産』が決定いたしましたので紹介します。豊里コミュニティ推進協議会では『豊里の人間国宝』第2号で竈神様の絵をライフワークとして生涯描き続けてこられ、5年前に亡くなられた故伊藤徹郎さんを認定しましたが、その後、第19回夢フェスタ水の里で『竈神様の置き土産~豊里 町おこし物語』が上演されたこともあり、やはり竈神様自身を世界遺産として認定し、今後も豊里町のシンボルとして町内外で活躍し、豊里の名を全国・世界に発信していただこうということになりました。
豊里の住民さんなら子どもの頃から馴染みのある竈神様は、かまどの神様として台所に祀られていた黒い顔の大きなお面です。同じ竈神様でも地方によっては材質や表情も違い、豊里では土をこねて作られ目がアワビの貝殻というパターンが多いのが特徴です。豊里町のマスコットと親しまれている「カマガミ君」のイラストが有名ですが、こちらは伊藤徹郎さんが描かれたものがモチーフとなり使用されています。また、今年3月に上演された豊里町を題材にした市民参加の創作劇「竈神様の置き土産~豊里町おこし物語」のポスターにも伊藤さんの描かれた竈神様の絵が使用され、会場となった祝祭劇場の中ホールでも豊里小中学校の生徒さんが描いたイラストや伊藤さんの絵が多数展示され、訪れた人たちの注目を集めました。
劇中に登場した巨大竈神様(高さ・幅とも約2m、重さ約50kg。密度の濃い特殊な発泡スチロール製)は、津山町在住の造形作家、亀井武宏さんを中心とする8人のメンバーが1ヶ月以上費やして完成させた渾身の力作で、現在は豊里公民館の玄関ロビーに展示されています。訪れた市民や子どもたちは、その迫力に圧倒されながら感嘆の表情で見上げています。
世の中のゆるキャラブームとは、また違った意味で市民の生活で親しまれている竈神様は、今の時代では間近に見る機会は少ないですが、平筒沼農村文化自然学習館では各町内の民家から寄贈を受けたたくさんの竈神様を一挙に見ることができますので、是非実物の迫力を感じにご来場ください。入館無料ですが、月曜日定休。9:00から16:00まで入館可能です。